'香るバラ' 会津花畑蒸溜所 '香るバラ' 会津花畑蒸溜所

トリギンティペタラ(Trigintipetala)

‹ 2015/05/08 ›

背景

トルコなど黒海近隣から、近年ではブルガリア、フランスなどで精油目的の栽培で有名な系統です。

名前の通り、強いダマスク香と自然で優しい花が特徴と思います。一季咲きで房咲の春の開化の爆発力のすごさを感じることができる。

性質

品種
ロサ・ダマスケナ・トリギンティペタラ / Rosa damascena trigintipetala
別名カザンリク / kazanlik ブルガリアのバラの谷カザンリクの地名
系統
オールドローズ、(D)ダマスク
花様
一季咲き、房咲き、八重、ピンク、中輪(直径8cm程度)
葉様
濃緑、7枚小葉
樹形
シュラブ(半つる)、2.5m前後、棘大小混在多
作出・登録
1700年頃、中近東
品種親
不明
コメント
中世には、ブルガリア(カザンリク地方)で香料用に栽培されていたようです。
積雪地方での露地越冬可。

ブルガリアやトルコもそうですが、現在の主な産地のダマスク系のバラの樹勢は、さほどではありません。枝ぶりも太さをみると、どちらかというと野性的な蔓バラのような趣です。

さて、こちら日本で育てているダマスクはというと、恐ろしいほど樹勢がよいです。要因のひとつは接ぎ木の台木ノイバラの恩恵だと思いますが、もうひとつは、ハッキリとした梅雨時期にあるのだと思っています。一季咲のダマスクは、5月中旬から開化の盛りを迎え、梅雨時には、花後の生育期間に入ります。このタイミングが相まって、より樹勢のある生育に結びついていると感じています。

ベーサルシュートの伸び具合からしてツル仕立てにしたいところですが、シュートの生育時には野菜の茎のような繊細さで伸び、木質化したころには、とても硬くなりますので、やっぱり木立でシュラブ扱いがよいのかなと思ってます。

写真

最近の挿し木苗の鉢揚げとカザンリクの初代親木、そして昨年の花収穫。