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花畑のガリカとアルバ

‹ 2017/06/04 ›

今日は、花畑で育てているガリカとアルバを紹介。2種で赤のガリカ、白のアルバはロールドローズの中でも存在感のある系統のバラです。

ダマスクローズの系統にも深く関わってくる2種ですので、興味をもって育てています。

濃いピンク(赤色)の半八重花がロサ・ガリカ・オフィキナリスです。「オフィキナリス」ですので、古くは薬草として栽培されていたらしく、古い時代にガリカローズとして栽培されていたものに、近しい品種と言われています。今でもハーブティー用の乾燥花として、利用されることが多い品種です。

赤色に白色の絞りが入るロサ・ムンディ。やはり半八重で咲き様は、ロサ・ガリカ・オフィキナリスとほとんど一緒です。オフィキナリスの枝変わり種ということのようです。

ガリカといえば、ダマスクローズの片親ということで、概ね仮説的には落ち着いています。2種とも香りをしっかり感じとることができます。

ただ、とても良い香がしますが、ちょっとダマスク香は感じ取れません。ダマスクとは違う印象となります。私的に云いますと、日本人に馴染みやすい香で、近しいものでいうと、昭和のタンスの香りです。^^

ハマナスとガリカとダマスク香にどちらが近いかといえば、ハマナスといえます。^^;

続いては、アルバ。薔薇戦争でいうところのヨーク家の薔薇紋のほうです。純白半八重のロサ・アルバ・セミプレナ。白に黄色の蕊がとても良く調和してます。アルバ側で古代種に近いと言われているのが、このセミプレナとなります。

このセミプレナの枝変わりとされるのが、半八重のアルバ・マキシマとなります。マキシマの咲きかけはうっすらとクリームピンク色がうかがえます。

一説ではアルバの片親はダマスクローズと言われています。そして、香りはその説に通じるものがあり、ダマスクローズの面影を感じ取ることができます。ダマスクローズの香りをよりソフトに甘くしたような香りで、品の良い香がします。

こちらもローズウォーターにしてみたい種となりますが、加工場が空いてくれるかがカギになりますね。><

虫の付き様からしますと、ガリカのほうがより性能が高そうで虫を呼び込みやすいです。方や香りは良いものの、虫付きがガリカほどではないアルバのほうは、蜜・油分が少ない気がしております。

単純な傾向として、ダマスクローズのように香成分が非常に強いものは、虫を多く呼び、受精機能も発達してます。逆に虫の手入れが少なくて済む花は、香りが良くても抽出できるほどには至らないことが多々あります。

ダマスクローズではイスパハンなんかは、園芸用途のバラですので、虫もほとんど来ず、枝もすっと伸びやかになり、切り花に向きますが、香りは期待できません。香りとともに受精もしっかり機能するカザンリクの花は咲いて24時間もしますと、散り始めますが、イスパハンは同じダマスクローズの系統でも数日は花が咲き続けます。

アルバも香は良いけど、2,3日は花持ちします。花の香りを抽出するのに、生理機能も重要ですので、アルバでどのようなものになるのかも、確認したいところです。