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土壌分析と油粕肥の作成

‹ 2016/04/08 ›

ここのところ毎朝草刈り中ですが、やっとこさ、1/6ほど進みました。このペースですと、約1月かかりそうです。><

さて、今回は、バラ畑の土壌分析(簡易)と作成中の油粕肥の状況をチェックしました。

(今回は、推論が多分に含まれてます。ご留意ください。)

土壌分析

当然ですが、土壌は、地球そのもののですからとても複雑ですので、化学的な分析をしてもそんなに高精度で明確な答えがでるようなものではありません。

もちろん分析センタや試験場で、そこそこの化学分析機器が整っていれば、定量化された答えにはなりますから、ある程度は信じてよいと思ってます。

が、しかし、上述のようなことですので、基本的には簡易分析の積み重ねで経験値を上げるほうが、植生生活ではより信頼性の高いものになるような気がしてます。

そこで、中期目線で定量化ノウハウが蓄積できるように、簡易土壌分析を実施しました。使うのは、「農大式簡易土壌診断キットみどりくん スターターキット」です。簡易目的で、三大栄養素N、P、KとpHについて、土壌分析できるキットです。

試料作成用のメモリ付き小瓶1つ、試験体収集用の注射器もどき大小が各1つずつ、そして、試薬紙が入ったケースが2種類での構成です!もちろん説明書も入ってました。サイズはといいますと、この段ボール箱は10cmx10cmくらいの小さなものですね。

なんとなく簡単にできそうなのがわかりますね。一回の試験作業がだいたい15分くらいで完結できます!

結果。試験紙は、ハウスバラ畑と露地バラ畑のサンプルとなります。また、撮影は指標確認時間帯を超えてますので、少し色がずれてます。(念の為)

上が「みどりくんPK」、左端P(水溶性リン酸)、次K(水溶性カリウム)です。指標色からしますと、Pがやや強めですが、双方しっかり含まれているようですね。

下が「みどりくんN」、左端pH、次N(硝酸態窒素)です。こちら、pHは6.0~7.0の間にあるくらいでよしなのですが、Nが指標色比較上限りなく0に近しい色です。(正確には、うっすらピンクになりますので、1kg/10a以下程度)

さて、これは、窒素が足りないのでしょうか。どうもそうではないようですね。

土壌中の窒素とはということでいいますと、当然窒素単体ではありません。窒素は一般大気環境で気体ですから、化学的には土壌では、なんらかの分子に結合した化合物で存在しているということになります。

土壌中の窒素は、大きく無機窒素と有機態窒素の可能性に分かれるようです。このうち、有機態窒素は、そもそも根が吸い上げる目的の栄養状態ではないですし、一般的なアミノ酸、栄養素、酵素など天然由来の有機化合物を構成するものですから、こちらを細かく判定してもしようがありません。そこで、肥料的には「無機窒素」ということになるようです。

  • 無機窒素の態種
    • アンモニア態窒素
    • 亜硝酸態窒素
    • 硝酸態窒素

アンモニア態窒素は、なんとなく由来が糞尿の肥料に多いかなと思えますし、硝酸態窒素のほうは、植物あるいは化成肥料由来かなとか思えますね。

で、土壌分析で知りたいのは、土壌中の「可給態窒素」。つまり直物が吸える窒素化合物の含有量ということになるのですが、どうやら、ここで調べているのは、そのうちのいち形態のみということのようですね。

実際に農研さんが提示している生産者向けの簡易測定方法では、加熱後のCOD計測値を使い、計算式に当てはめてN量を求めるようです。

「農研さんのをまとめた説明ページ」

http://www.naro.affrc.go.jp/narc/result_digest/files/snmanu.pdf

「某JAさんのみどりくんの説明ありページ」

http://www.jakyoto.com/jakyoto/pdf/1405/1405.pdf

結論的には、「簡易土壌診断キットみどりくんN」でのN量は、土壌中の「可給態窒素」全体の一部の判定ということのようですので、ここでは過剰な含有量が検出されなければ、むしろよいということのようでした。

油粕肥

3日前に仕込んだ油粕肥(製造中)のものです。枯れ葉等の手前堆肥が過分に含まれてますので、ぼかし肥的なものになるのかと思います。

で、こちらは、主にpHと肥内温度を見てます。

  • 状態
    • 温度:37℃
    • pH:6.4程度
  • 原材料
    • 枯れ葉等堆肥:大盛り(30Lくらい)
    • 牛糞:バケツ:半盛り
    • 米ぬか:バケツ7分盛り(微生物母艦目的)
    • 畑土:コップ2杯(ここの土着菌目的)
    • 食油:500ml
    • 水:バケツ半盛り
    • 自家製糖蜜液肥:コップ1杯(微生物とアミノ酸補強)

よくある油粕肥の油量よりがぜん少ないですが、うん、いい感じです。前日20℃前後でしたので、今日からは微生物の活動も活発になってきたようです。

微生物による発酵熱は大体42度前後に推移しますので、良いところだと思います。また、この生態系での化学反応によって、肥料は酸性に傾くようですので、堆肥の分解も進んでいるということでしょうかね。

まとめ

簡易土壌分析で、三大栄養素N、P、Kはなんとなく把握できそうな気がしてきました。そしてNは値があがるようだと、この場合NGのようだと今は考えておきます。加熱処理したCOD測定によるN含有量の推測ってのもやってみたいですね。

色々と準備がありますが、お花が満開になることを期待して、しばらくこちらも頑張ります!