'Scented rose' Aizu Hanabatake Distiller 'Scented rose' Aizu Hanabatake Distiller

枝変わりと奇形

‹ 2015/06/04 ›

バラは品種によっては、元株からの枝変わりによる品種の固定というものが意外と多くあります。

枝変わりとは、その名の通り、枝の途中、枝の一部、枝の一方面がおおよそ元株のそれとは違った形相をもって、なおかつ、その性質違いが枝分けしても特異な性質を残し、自立自生できる状態になったものだということです。

(園芸流通バラで、いつもと違った花を咲かせるシュートが発生したといかいうのは、これとは違います。こちらは単に台木から出てしまったそもそも種の異なる花ということだと思います。)

よくあるのが、木立バラの花、性質などをそのままにつる性をもった品種だったり、色付き花だったものの白花だったりと。

園芸品種では、自然交配できない品種もありますから、元来クローンによる品種の維持などは定常化してますし、もう150年も前の初代HTであるラ・フランスもその通りクローン育種によって、ここまでその血を繋いでます。この花をここまで維持してきた皆さんには頭が下がる思いです。

(ちなみに、我が家には、つる・ラ・フランスがありますが、逆に先祖返りしてるようで、樹形的にはブッシュとしか言いようがありません。)

さて、写真は、枝変わりではなく、奇形です。これ、花が花なのか花の先祖の葉だったのか、実をつけるべきか、どうなのか!?について、錯綜してしまった結果の花です。

花弁と葉が、葉と孚の関係なのかはっきりせず、花弁のしべにあたる部分からさらに花芽が2つ育っております。

元花の葉は、孚のように花弁を包み、形状は葉の印象を残しつつ、孚特有のクビレを形成して、一体視するととてもギザギザ輪郭の葉となります。逆に元花の花弁のほうは、葉に戻ったほうがいいのか悩ましく葉脈を残そうとしているのが見通せます。

また、通常バラは偽果が孚下にありますが、この元花は子孫繁栄すべき場所を忘れたために偽果の面影が全くありません。逆に花の中、しべの部分に偽果をつけて、咲くことのできない花芽を2輪付けています。

見てからにして、これが劣性遺伝子を持つことは容易くわかりますね。

こういった花様は、バラでは、稀に見ることができるようです。原因はわかりませんが、私も我が家のバラで直に見たのは初めてですが、こういったバラ花をほかでも見かけたことがあります。

こういったバラの花の奇形、遺伝的変異について、情報・ネタがあれば、お知らせください。