2019/05/31 会津花畑蒸溜所では、ダマスクローズをはじめ、そのほか香る薔薇をいくつか栽培。その香りの違いを直接感じながら、香りやそれ以外の性能差についても研究しています。今日は『花畑薔薇小話:ローズの香り』と題して、参考書などではなかなか説明されない香りや特徴の微妙な違いを紹介いたします。【ローズ香り分布図】まずは、分布。ダマスク香~センティフォリア、アルバ香に至るラインを横軸に。香りの強さを縦軸に様々な薔薇を分布してみましょう。(角丸:ダマスクローズ、〇:アルバ、センティフォリア、モス)特有の甘さを持ち強さが最も優れた、いかにもダマスク香を感じるカザンリクを右上Strong Sweetに配置。また正にアルバ香を感じるマキシマを最もCoolに、香りの強さはカザンリクより控えなので、中高に。【ダマスク香】まず、ダマスク香ですが、主に香料向け栽培されているのは、カザンリク、キャトルセゾン、ローズ・ド・メイ、イスパハン、この他イスパルタです。この地域では、カザンリク、キャトルセゾン、ヨーク・アンド・ランカスターの3種が、それぞれ近しいダマスク香を感じさせてくれますが、でも、少しずつ違うんですね。ヨークの香は概ねカザンリクですが、少し強さが控えめ、キャトルセゾンの香は強さは抜群ですが、若干残り香が違います。かたや地域によっては主たる香料用品種のイスパハンとローズ・ド・メイは、香りの強さがぐんと下がり、特徴も少し変わります。イスパハンはセンティフォリアにも似たソフトな残り香を匂わせてくれますので、これも良い香りです。ローズ・ド・メイは、ここでは余り香りの強さと特徴が引き立ちません。【センティフォリア香】Sweet-Coolの中間といいますか、Softなものがここに寄せられます。ここにはセンティフォリア系が並んできます。センティフォリアの大元、ロサ・センティフォリアが強さも香りのソフト感も最も充実しています。その派生のモス、ナポレオンも良い香りを感じることができます。そして、ダマスクローズからはイスパハン。この花は、ややアルバよりのセンティフォリア香りを感じることができます。【アルバ香】清涼感ある清楚な香りのアルバ香。代表的なのはマキシマ。いかにもアルバな香りです。白いからでしょうか、ダマスクローズでもマダム・アルディどちらか言うとアルバ香的な香りを感じることができます。また、センティフォリアのようなソフトな残り香も残してくれ、香りの強さはほどほどですが、これもまた良い香りです。Topics:最近の研究で、アルバ香には『ローズ・アンヒドリド』というメラニン生成抑制効果が認められた成分が含まれているそうです!!美肌に良いのはこちらですね!!参考:株式会社カネボウ化粧品様HPより【私総評】香りの強さ加減はダマスク香に勝るものはなし!!^^でもそれぞれ特徴的な香りがあります。日常の香り付け・ストレス発散などの時にはダマスク香。夜ぐっすり眠りたいときにはまろやかな香りのセンティフォリア。落ち着きたいとき、静かな時間を過ごすときにはアルバですね!!【写真】