2017/06/03 ダマスクローズといえば、ピンク色に八重が特徴です。花咲きもよいので観ていて飽きないのですが、それでもいつも同じ花様だけでは、物足りなさもあります。そこで、特性検査を兼ねて、様々な品種のダマスクローズを育てています。もちろんダマスクローズとは言え、生産に向き不向きがあります。そのうち、今回、紹介するのは生産向けではないけど、花様・葉姿、樹形に特徴があって、観て嗅いで楽しめるダマスクローズを4種。白花のマダムアルディ。カップ咲きを経て開くタイプで、ほとんど雄蕊がない分、花びら数はカザンリクより多くなります。雌蕊はしっかり残ってますので、中心が綺麗なグリーンアイを主張します。中心から濃いピンクがグラデーション様に広がるブラッシュ・ダマスク。花姿と葉姿がとても可愛いので、大好きな花です。ほかのダマスクローズより小ぶりの樹勢で、小葉も小さ目で凛々しく青味が濃いのが特徴です。花径もダマスクローズでは小ぶりなほうですが、こちらも花びら数は多いです。白にピンクの絞り模様が入るヨーク・アンド・ランカスター。樹勢、葉姿、花付き、花様からして、カザンリクの変種かと思われます。花模様以外はそっくりですから。劣勢遺伝なのか、育ててみるとカザンリクよりはやや力が弱い品種と思われます。蕾の時は花びらの赤がしっかり見えて、咲いてみると縁が赤で全体は白色。蕾と一緒の姿がとても印象的なレダ。花びら数はカザンリクより少し多い印象です。鑑賞向けの改良かと思われます。樹勢は概ねカザンリクに近しく、葉色はより濃青のイメージとなります。オールドローズの代表4種は、そもそも赤、白、ピンクしかありません。それでも樹勢、樹形、葉姿と花様の組み合わせによって、観ても楽しめるところが色々とあります。大きな目線で印象のある花見もよいですけど、細かなところに注視して違いを楽しむのもまた面白いかと思います。シーズンだけあって、このところ毎日隙間なくオーダーを頂いております。仕事の励みにもなっております。皆様に感謝いたします。